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2 損害賠償責任

(2) さまざまな関係者の責任
(ト) 自動車ローン会社の責任

Q. ローンで自動車を購入し、まだローンを完済しないうちに人身事故を起こした場合、ローン会社も事故の相手方に対して責任を負いますか
A
  • 所有権留保
    自動車を売買する場合、自動車を先にユーザーに引き渡し、販売代金を長期の分割払いで支払うローン契約がなされることはよくあります。この場合、通常、代金が支払われなくなった場合に備えて、代金が完済されるまで自動車の所有名義をローン会社にしておき、ユーザーが代金の支払を怠れば、ローン会社が自動車の所有者として自動車を処分して、未払いの残代金に充てるという特約がなされています。このように、実際にはユーザーが使用しつつ、名義上・形式上ローン会社のもとに所有権を留めておくことを所有権留保(特約)といいます。
  • ローン会社の運行供用者責任
    所有権留保がなされている自動車でユーザーが人身事故を起こした場合に、ユーザーが事故の相手方に対して運行供用者責任(自動車損害賠償保障法3条)を負うことに争いはありません。
    他方、判例上、ローン会社は事故の相手方に対して「特段の事情がない限り」運行供用者責任を負わないとされています。
    この「特段の事情」とは、売主がその従業員に所有権留保特約付で自動車を売却した場合において、その自動車を売主の業務に必要不可欠な手段として使用させていた場合等、売主が自動車の運行を管理しうる立場にあり、その運行から利益を得ていたような場合をいいます。