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3 損害賠償の範囲

(3) 消極損害
(リ) 休業損害とは

Q. 休業損害とは何ですか
A
  • 休業損害とは
    (1) 休業損害とは、自動車事故による怪我の治療のために休業した場合に、労働の対価としての収入を得ることができなかったことによる損害のことです。
    (2) 休業損害は、事故当時の収入に休業期間を乗じて算出します。これを数式化すると、「休業損害」=「1日当たりの収入」×「休業日数」となります。
    (3) もっとも、事故後、時間の経過とともに症状が回復し、徐々に労働能力も回復することから、段階的に労働能力の喪失割合に応じて休業損害を算出する場合もあります。これによると、例えば、1日当たりの収入が1万円の被害者が、治癒までに6か月かかった場合であって、最初の2か月は100%、その後の2か月は60%、最後の2か月は20%の労働能力喪失割合とした場合、(1万円×2か月×30日)×(100%+60%+20%)=108万円となります。
  • 被害者が給与所得者の場合
    (1) 給与所得者の1日あたりの収入と休業日数は、勤務先が発行する休業損害証明書、源泉徴収票、診断書等によります。
    (2) 休業が原因となって賞与が減額・不支給とされたり、昇給・昇格が遅れた場合には、それによる損害も賠償が認められます。
    (3) 休業期間中に、有給休暇を使用した場合も、賠償されるべき休業損害の額に影響はありません。
  • 被害者が事業所得者の場合
    (1) 事業所得者の1日当たりの収入は、前年度の所得税の確定申告書によりますが、業績に著しい変動がある場合は、数年間の実績の平均値による場合もあります。
    (2) 休業したことにより支出を免れた原材料費等の変動経費は休業損害から控除されますが、賃料・人件費等の固定経費については相当な範囲内で休業損害とされます。
  • 被害者が専業主婦の場合
    (1) 専業主婦であっても、家事労働にも財産的価値があることから、家事をすることができなかった期間について、賃金センサスにおける女子労働者の全年齢平均賃金または年齢別平均賃金を基準とした基礎収入により算出される休業損害が認められます。
    (2) パート等の収入がある主婦の場合は、現実の収入額が賃金センサスの女子労働者の平均賃金より低いときは平均賃金を、平均賃金より高いときは現実の収入額を基礎収入とした休業損害が認められます。
  • 被害者が無職者・学生の場合
    (1) 無職者・学生については、原則として、休業損害は認められません。
    (2) ただし、就職が内定している場合、または、治療期間中に就職の可能性がある場合には、予定どおり就職した場合に得られるはずであった給料額、または、賃金センサスの平均賃金もしくはこれを下回る額を基礎収入として、休業損害が認められます。
    (3) アルバイトをしていた場合には、現実に失ったアルバイト収入が休業損害となり、さらに、就職が遅れた場合には、得られるはずであった給料が休業損害となります。