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3 損害賠償の範囲

(3) 消極損害
(ル) 無職者の逸失利益

Q. 自動車事故により被害者が死亡または後遺症が残った場合、その被害者が失業中または無職であれば、逸失利益の賠償は一切認められないのですか
A
  • 失業中または無職であっても、労働能力と労働意欲がある場合には、死亡または後遺症による逸失利益の賠償が認められています。
  • したがって、心身障害や高齢のために労働能力が全くない場合には、逸失利益は認められません。労働能力が全くないとはいえない場合には、その程度に応じた逸失利益が認められることになります。
  • 労働意欲がない場合についても考え方は同じですが、事故当時、労働意欲が全くないといえる場合であっても、将来にわたって全く労働意欲がないと断定することはできないので、原則として、逸失利益を認めた上で、ある程度減額することになるでしょう。この点につき、子どもを養育施設に預けたまま全く音信不通で、定職すらも不明であった33歳の男性被害者が死亡した場合につき、逸失利益の賠償を認めた裁判例があります。他方、病弱で労働意欲に乏しく、昼間から飲酒することもあった48歳の男性の被害者が死亡したケースで、事故当時の収入が生活費にも満たなかったとして、逸失利益が否定された判例があります。
  • 逸失利益の算定については、(イ)を参照してください。
    基本的に賃金センサスの平均賃金を基礎収入として逸失利益を算定しますが、就職が内定している場合の入社後の収入や失業前の収入を基礎として算定される場合もあります。