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3 損害賠償の範囲

(3) 消極損害
(ワ) 学生等の逸失利益またはアルバイトの休業損害

Q. 自動車事故の被害者が幼児・生徒・学生の場合で、死亡しまたは後遺症が残った場合、逸失利益の賠償は認められますか。また、アルバイトをしていた場合の休業損害の賠償は認められますか
A
  • 判例の立場
    幼児・生徒・学生は現実の収入がなく、また、将来の職業や収入等につき予測が困難ですが、判例は、死亡または後遺症による逸失利益や休業損害の賠償を認めています。
  • 逸失利益、休業損害の算定方法
    逸失利益、休業損害の算定方法は、Q 自動車事故により被害者が死亡したり、負傷して後遺症が残ったときに、加害者が賠償すべき損害の1項目である逸失利益とは何ですか、Q 休業損害とは何ですか を参照してください。
  • 基礎収入
    逸失利益、休業損害を算定する際の基礎収入は、原則として、賃金センサスにおける産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均賃金を基礎としますが、大学(短大)生や、大学(短大)への進学が確実視される者の場合は、賃金センサスの大学(短大)卒の平均賃金を採用する場合もあります。また、男女別平均賃金によると、男女間で最大数百万円の格差が生じることから、このような格差をなくすため、女子につき全労働者の平均賃金を基礎とすることも認められています。
  • 就労可能年数
    逸失利益の算定における就労可能年数は、原則として、18歳から67歳までの49年間ですが、大学(短大)在学中の場合または大学(短大)への進学が確実な場合は、大学(短大)卒業予定年齢から67歳までの年数となります。
  • 生活費の控除割合
    逸失利益の算定における生活費の控除割合は、男子は50%、女子は30%とされることが多いようですが、女子の基礎収入を全労働者平均賃金とする場合は、女子の生活費控除割合は45%とされた例があります。
  • 休業損害
    (1) 休業損害は、現に労働の対価としての収入を得ていない場合には認められませんが、アルバイトの収入を得ている場合には、休業損害は認められます。この場合、アルバイトの継続を予定していた期間につき、認められることになります。
    (2) 学校の卒業・就職が遅れた場合は、その期間の給料相当額の休業損害が認められます。この場合、賃金センサスの男女別大卒20歳から24歳の平均賃金を基礎とすることになります。