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3 損害賠償の範囲

(4) 慰謝料
(イ) 慰謝料の算定方法

Q. 慰謝料とはどういうものですか。どのように算定されますか
A
  • 慰謝料とは
    他人の身体、生命を侵害した場合であって、損害賠償責任を負う者は、財産以外の精神的・肉体的な苦痛による損害についても賠償しなければならず(民法710条)、これを一般に慰謝料と呼んでいます。
  • 慰謝料の算定
    (1) 慰謝料は、事故の当事者間で話合いをして決められれば問題ありませんが、話合いで決まらなければ、最終的には、訴訟を提起した上で、裁判所に決めてもらう他ありません。そして、法律には慰謝料算定の要素や方式が定められておらず、以下のような事情を考慮して裁判所が裁量によって決めることになります。
    (2) 被害者側の事情としては、イ 被害者の負傷の部位・程度、ロ 後遺症の有無、ハ 被害者の年齢・性別・職業・既婚者であるか未婚者であるか、ニ 被害者の資産・収入・生活程度、ホ 被害者が一家の支柱であるか否か、などがあります。
    (3) 他方、加害者側の事情としては、
    謝罪・弔慰をしたか、
    治療費・見舞金等を支払ったか、
    見舞いをしたか、
    通夜・葬儀等に参列したか、
    見舞金や香典を支払ったか、
    イからホを行った時期が早いか遅いか、
    加害者が被害者に誠意のない言動をしたか、
    加害者が被害の拡大を防止するために救護活動・応急措置等真摯に努力したか、
    示談交渉過程における態度、
    などがあります。
  • 慰謝料算定基準
    (1) 上記のように、慰謝料は個別具体的な事情に応じて算定されるものであるため、事故ごとに異なることは当然といえますが、同じような事情のもとにおいては同じような結果がもたらされるべきであり、裁判所ごとに結果が異なるのでは公平とはいえません。そこで、過去の裁判例等により定められた慰謝料の算定基準が公表されており、実務も概ねこの基準に沿っています。もっとも、これはあくまでもおおよその基準にすぎませんので、これを絶対的に従うべき基準と考えるのは妥当ではありません。
    (2) 傷害慰謝料の場合
    傷害慰謝料については、実務上、入通院慰謝料と後遺症慰謝料とに分けて算定基準が定められています。
    (3) 死亡慰謝料の場合
    死亡慰謝料についても、
    一家の支柱の場合には、2600万円~3000万円、
    一家の支柱に準ずる場合には、2300万円~2600万円、
    その他の場合には、2000万円~2400万円、
    との基準が公表されており、実務も概ねこれによっています。なお、「一家の支柱」とは、その被害者の世帯が、主として被害者の収入によって維持されている場合をいい、「一家の支柱に準ずる場合」とは、例えば、家事の中心をなす主婦、養育を必要とする子を持つ母親、独身者であっても高齢な父母や幼い兄弟を扶養しあるいはこれらの者に仕送りをしている者などをいいます。