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3 損害賠償の範囲

(4) 慰謝料
(ハ) 被害者が負傷した場合の近親者の慰謝料

Q. 自動車事故の被害者が負傷した場合、その被害者の近親者は慰謝料を請求できますか
A
  • 近親者固有の慰謝料請求
    自動車事故の被害者が死亡した場合には、法律の条文上、被害者の父母、配偶者および子どもは、慰謝料を請求することができると規定されています(民法711条)。これに対して、被害者が負傷したにとどまる場合に、被害者の近親者が慰謝料を請求しうるかについては法律上規定がありません。この点につき、判例は、近親者が、被害者が死亡した場合と同程度の、あるいは、死亡した場合に比べて著しく劣らない程度の精神的苦痛を受けたときに限り、近親者固有の慰謝料を請求できるとしています。
  • 「死亡した場合と同程度、あるいは、それと比べて著しく劣らない程度」とは
    どのような場合が「死亡した場合と同程度、あるいは、それと比べて著しく劣らない程度」にあたるかにつき、次のような裁判例があります。
    (1) 14歳男児が重度意識障害、四肢完全麻痺となり、植物状態となった場合につき、両親に固有の慰謝料として1人あたり300万円、合計600万円の賠償が認められた裁判例
    (2) 36歳男性が外傷性脊髄麻痺、頭部外傷後遺症により両下肢完全麻痺、右上肢各関節の運動障害、直腸機能等により後遺症等級1級とされた場合につき、妻に固有の慰謝料として300万円、子どもに固有の慰謝料として150万円の賠償が認められた裁判例
  • 慰謝料額
    近親者の慰謝料額は、裁判実務上、被害者本人の慰謝料のおよそ20%〜30%とされることが多いようです。