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5 自動車保険

(2) 任意自動車保険
(タ) 保険会社に対する直接請求

Q. 自動車事故の被害者が任意自動車保険会社に直接請求することができる場合について教えてください
A
  • 対人・対物賠償保険における直接請求権
    (1) 保険会社に対して保険金の支払いを請求する権利を有し、損害の填補を受けることができるのは、第一に、被保険者です。
    この点、対人・対物賠償保険は、被害者に対して損害賠償責任を負うことによる加害者の損害を填補するものです。したがって、加害者が被保険者となり、被害者は被保険者ではありませんから、被害者は保険会社に対して保険金を請求することはできないはずです。
    しかし、被害者救済の見地から、保険の種類によっては、保険会社が被保険者に対して負う填補責任の限度で、被害者が保険会社に直接請求することができる場合があります(被害者の直接請求権)。
    (2) 対人賠償保険については、自家用自動車総合保険(SAP)、自動車総合保険(PAP)、自動車保険(BAP)のいずれの保険でも被害者の直接請求権が認められています。
    (3) 他方、対物賠償保険については、SAPでは被害者の直接請求権が認められていますが、その他の保険では認められていません。
    (4) 被害者の保険会社に対する直接請求と、被保険者の保険会社に対する保険金請求とが競合したときは、被害者の直接請求が優先します。
    (5) なお、自損事故保険や車両保険などは、被害者自身の損害を填補するものですから、被害者が被保険者になるため、保険会社に対して保険金を直接請求することができるのは当然です。
  • 被害者が直接請求権を行使できる場合
    被害者が保険会社に対する直接請求権を行使することができるのは、次の場合等です。
    (1) 判決や示談等により、被保険者の負担する損害賠償責任の額が確定した場合
    (2) 被害者が被保険者に対する損害賠償請求権を行使しないことを被保険者に対して書面で約束した場合
    (3) すべての被保険者が死亡し、かつ、その相続人がいない場合
  • 被害者の直接請求権の消滅時効
    被害者の直接請求権は、
    (1) 判決や示談等により被保険者の損害賠償責任額が確定してから2年を経過したとき、および、
    (2) 被害者の被保険者に対する損害賠償請求権が時効により消滅したときは、行使することはできません。