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6 紛争の解決方法

(2) 示談
(ニ) 示談書作成上の注意点

Q. 示談書を作成する際に注意すべき事項について教えてください
A
  • 示談書作成の必要性
    示談自体は契約の一種ですから、口約束だけでも成立しますが、後日争いが生じたときに備えて示談書として書面に残しておく必要があります。この示談書の書式には決まったものはありません。実際上は、保険会社の書式に従った示談書を作成することが多いでしょうが、そこに記載された内容が示談の趣旨に沿うものであるかどうかを十分に確認しなければなりません。
  • 示談書の必要事項
    示談書には最低限、次の事項を明記しておく必要があります。
    (1) 当事者(示談金の請求権者と支払義務者)の住所、氏名
    示談交渉をした者だけではなく、損害賠償請求権を有する者と損害賠償義務を負担する者をすべて記載しておくべきです。記載されていない者には示談の効力が及ばないことになるからです。例えば、示談書には運転者のみを損害賠償義務者と記載していたために、その運転者の使用者が後で被告として訴えられ、損害賠償を命じられることがあります。この場合、逆に、被害者はその使用者に対し、示談書に記載のとおりの示談金の支払いを請求することはできないことになります。
    (2) 自動車事故の発生日時、場所
    (3) 加害車両を特定するための情報(登録番号等)
    (4) 被害状況(死亡・傷害の区別、傷害の部位、程度等)
    (5) 示談内容(示談金額、支払日、支払方法等)
    (6) 示談書作成年月日
  • 違約金条項
    示談書には、加害者側が示談書に定めた支払期限までに支払わない場合には、年率○%の遅延損害金を支払わなければならない旨の違約金条項を定めることが多いです。
  • 清算条項
    示談書、特に保険会社の示談書書式には、「本件事故については、示談金の支払いにより、当事者間で示談により円満解決したこと及び本示談書に記載したもの以外、当事者間に何ら債権債務のないことを相互に確認する。」という趣旨の清算条項が書かれるのが通常です。
    この清算条項により、示談成立後は、示談金の追加請求が認められなくなるのが原則です。
    例外的に、後遺症の発現等被害者の症状が示談当時に予期された以上に悪化する等の著しい事情の変更があった場合には、清算条項にかかわらず、損害賠償の追加請求が認められることがあります。