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7 刑事責任

(ト) 酒酔い、酒気帯び、過労等運転により人身事故を起こした場合の責任

Q. 酒酔い運転、酒気帯び運転、過労運転等により自動車事故を起こし、他人を死傷させてしまった場合、どのような刑罰が科せられることになりますか
A
  • 犯罪の成立
    酒酔い運転により自動車事故を起こし、他人を負傷させてしまった場合、危険運転致傷罪(刑法208条の2第1項)または自動車運転致傷罪(同法211条2項)、および、道路交通法違反(酒酔い運転)の罪(道路交通法117条の2第1号)の2罪が成立することになります。
  • 刑罰
    (1) これらの罪単独で成立した場合の刑罰(法定刑)は、
    ア  危険運転致傷罪が1年以上20年以下の有期懲役
    イ  自動車運転致傷罪が1か月以上7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金
    ウ  酒酔い運転の罪が1か月以上5年以下の懲役または100万円以下の罰金
    です。
    (2) そして、危険運転致傷罪または自動車運転致傷罪と酒酔い運転の罪は併合罪関係にあるものとされます(刑法45条)。
    (3) 併合罪関係にある2個以上の罪について有期懲役に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできないものとされます(同法47条)。
    (4) また、併合罪関係にある2個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断されます(同法48条2項)。
    (5) したがって、
    ア  危険運転致傷罪と酒酔い運転の罪について有期懲役に処するときは、1か月以上25年以下の範囲内
    イ  自動車運転致傷罪と酒酔い運転の罪について有期懲役に処するときは、1か月以上10年6か月以下の範囲内
    で処せられることになります。
    (6) また、
    ア  危険運転致傷罪と酒酔い運転の罪について罰金に処するときは、100万円以下で、
    イ  自動車運転致傷罪と酒酔い運転の罪について罰金に処するときは、200万円以下で、
    処せられることになります。
    (7) 酒気帯び運転や過労運転の場合も、同様の方法で刑罰(の範囲)を決することになります。