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第1 交通事故の被害者の損害賠償請求

3 損害賠償請求の内容
(2) 後遺症が生じた場合

(ホ) 将来の介護費用
後遺症の症状固定後の将来の介護費用につき、職業付添人の場合は実際に支払った介護料全額、親子や配偶者等の近親者の場合は、常時介護か随時介護か等の具体的状況に応じて金額が増減しますが、1日あたり6500円~8500円が賠償すべき損害として認められています。
介護を要する期間は、原則として、被害者の生存期間であり、厚生労働省が作成している簡易生命表の平均余命により算定するのが実務の大勢です。
簡易生命表は次の文字をクリックしてご覧下さい。
簡易生命表
介護費の支払いにつき、一括で賠償する方式でなく、定期的に賠償する方式を認めた裁判例もあります。ただし、被害者側が一括での賠償を求めている場合には、裁判所が定期的に賠償するよう加害者に命ずる判決をすることはできません。
将来の介護費用について次のような裁判例があります。
(a) 脊髄を損傷し、四肢麻痺の後遺症を残した26歳の男性について、2人分の職業付添人による介護費として1日あたり1万8300円、合計約1億2302万円を認めた裁判例
(b) 植物状態となった11歳の男児について、職業付添人1名と近親者の合計3名の介護が必要であるとして平均余命まで1日あたり2万円、合計1億3375万円を認めた裁判例
(c) 高次脳機能障害となった23歳の女性につき、母親が67歳になるまでの10年間は母親による介護費として1日あたり8000円と、職業付添人による介護費として1日あたり3692円、10年経過後平均余命までの52年間は職業付添人のみによる介護費として1日あたり2万4000円、合計1億3200万円を認めた裁判例
(d) 後遺症等級1級の71歳の男性につき、特別養護老人ホームへの入所金2300万円のうち返還を受けられない償却分(1894万円)と施設利用料1月あたり25万円の平均余命11年分の合計2478万円の合計4373万円を認めた裁判例
等があります。