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第2 自動車保険

1 自賠責保険
(6) 仮渡金

(イ) 原則
自賠責保険会社に対する保険金の支払請求は、被保険者の損害賠償責任の有無や金額が確定して初めて認められるのが原則です(本請求)。
しかし、このような原則を貫くと、被保険者が損害賠償責任の有無や金額について争う場合には、被害者は決着がつくまでの間長期間、損害の賠償を受けられないこととなり、治療費や入院費等の当座の支出にも困ることになります。
(ロ) 修正
自賠責保険の掛かっている自動車の保有者が、その自動車の運行によって人身事故を起こしたときは、被害者は、自賠責保険会社に対し、一定の金額を損害賠償額の支払いのための仮渡金として支払うよう請求することができます(自動車損害賠償補償法17条)。
仮渡金額は、被害者1人につき、
(a) 死亡の場合で290万円、
(b) 次の傷害の場合で40万円
1) 脊柱の骨折で脊髄を損傷した場合
2) 上腕または前腕の骨折で合併症を有する場合
3) 大腿または下腿の骨折
4) 内臓の破裂で腹膜炎を併発した場合
5) 14日以上病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上の場合
(c) (b)の傷害を除く次の傷害の場合で20万円
1) 脊柱の骨折
2) 上腕または前腕の骨折
3) 内臓の破裂
4) 病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上の場合
5) 14日以上病院に入院することを要する傷害
(d) (b)および(c)の傷害を除いた、11日以上医師の治療を要する傷害の場合で5万円
さらに、傷害による損害に限り、被害者が治療継続中などのために、総損害額が確定しない場合であっても、既に発生したことが立証できる損害については、被保険者または被害者は、保険金または損害賠償額の内払を請求することができる制度もあります。