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第3 交通事故による損害賠償請求紛争の解決方法

5 仮払い仮処分

話合いによる解決や訴訟によっていたのでは、時間がかかってしまい、当座の入院治療費も支払えず、また、日々の生活費さえ途絶してしまうこともあります。このような場合に、簡易迅速な手続で、損害賠償金を支払ってもらうための手続が、加害者等損害賠償義務を負担する者または保険会社に対する損害賠償金または保険金の仮払い仮処分の申立です(民事保全法23条2項)。これは、判決による最終的解決とは異なり、あくまで判決で決着がつくまでの間の、暫定的な仮の処分であり、これにより訴訟よりもかなり短期間で一応の満足を得られることになります。この申立がなされると、裁判所は、当事者双方を裁判所に呼び出して、双方の主張・立証を踏まえて、短期間で決定をします。仮処分決定が出され、相手方が決定に従えば目的は達成されますし、相手方が決定に従わなければ、強制執行を申し立てて、目的を達成することができます。実務上は、裁判所の和解勧告により、仮払いについての和解がまとまることが少なくありません。また、決定がなされてから、加害者側が争うことを諦めて、強制執行がなされる前に、自発的に支払に応じるのが通常です。
最近では、任意保険の直接請求権に基づき、保険会社を相手として、この仮処分申請をすることが多くなっており、決定がなされれば、保険会社は直ちに内払をするのが現状です。
なお、仮処分といえども、高度に専門的な知識・経験が必要なことは訴訟の場合と同じですので、弁護士に依頼するべきです。